第三者への提供の制限
例えば卒業生に「同窓会を開きたいので名簿を貸してください。」と頼まれた場合、簡単に渡しても良いのでしょうか?このような場合「第三者提供」に該当し原則禁止されています。第三者の定義とは?第三者提供ができる場合は?しっかり把握しておく必要があります。
- 【第23条】
- 個人情報取扱事業者は、次に掲げる場合を除くほか、あらかじめ本人の同意を得ないで、個人データを第三者に提供してはならない。
第三者への提供は原則禁止
本人の同意を得ないで個人データを第三者に提供してはなりません。第三者とは、同窓会、奨学事業を行なう団体、他の学校、予備校、塾、児童相談所、保護者会、学生自治会などのケースが考えられます。このような「第三者」に本人の同意なしに個人データを提供することは禁止されています。
ただし、次の3つのケースは「第三者」には該当しませんので覚えておきましょう。
- 業務委託
- 業務委託先は「第三者」には該当しません。
ただし、22条の「委託先監督責任」が課されます。 - 合併、営業譲渡
- 合併等によって個人データが提供される場合。
- 共同利用
- 個人データを特定の者との間で共同して利用する場合。ただし、利用目的に共同利用することを明らかにしておく場合に限ります。
第三者提供ができる場合もある
第三者提供は原則禁止ですが、次の条件に該当する場合は第三者提供をすることが認められています。
- あらかじめ生徒等など本人に同意を得ている場合
- 利用目的に第三者提供するとしている場合で、なおかつ本人の求めがあった場合は第三者提供を停止することを決めている場合
同意はいつ得ればいいのか?
第三者提供ができる条件の一つに「あらかじめ本人の同意を得る」がありますが、これは、個人情報を取得するのと同時でなければならないのでしょうか?
これについては、個人情報取得時ではなくても、第三者に提供する時点で本人から同意を得られれば良いと考えられています。
第三者提供の例外
以下のように本人の同意を得ることが困難な場合や法令で定めがある場合は、本人の同意なしの第三者提供を認められています。
- 同意なしで第三者提供が認められる例 -
- 生徒が急病になったり、大ケガを負った際に、治療の必要上、血液型や健康診断の結果、家族の連絡先等に関す情報を医療機関等に提供する場合
- 非行のおそれがある生徒の情報を、生徒本人及びその家族などの権利利益を不当に侵害しないことを前提に、非行防止に関係する機関との間で情報交換等を行なうことが特に必要な場合
- 学校教育法施行規則に基づいて、指導要録の写し等を児童・生徒の転校先の校長に送付する場合
- 生徒の児童虐待に関する情報を児童相談所などと情報交換する場合